■第17回定期演奏会・2部企画ステージ■


〜 FILE17:いのQ君殺人事件 〜


第17回定期演奏会2部で行われた音楽劇の台本を公開します。
写真も併せて載せました。よかったら覗いてみて下さい♪

シーン1

♪オープニング曲(およげタイヤキくん)
♪オープニング曲終了


(ナレーター、舞台左手隅に登場。マイクを持って、)

ナレーション(以下、ナ)
  それは、イノQ君にとって何でもない日常でした。
  いつものように小包集配のアルバイトをしていた時のことです。
  月の無い暗い夜でした。



イノQ君(以下、Q):(舞台中央から少し右寄り)
  あーもー、こんな毎日もういややー。
  何でわしだけこんなに働かなならんねん。
  残業手当十パーセントしか付けへんし。
  貧乏学生は、辛いのー。

謎の黒づくめ(以下、謎):(左手から登場)
  イノQ君、イノQ君。

(Q)
  はーいー、ちょっと待ってーな。今忙しいねん。

(黒づくめ、ピコピコハンマーを隠し持ってイノQ君に近づく。)

(Q) 
  ん、何やねん。何か用か?
(謎)
  うん、ちょっと・・・。(遠くを指差し)
  あー!モーニング娘。の後藤真希だ!
(Q)
  ふーん。
(謎)
  (あせった様子で)あ、あれ?えーと、それじゃあ・・・。
  あー!モーニング娘。の加護亜依だ!
(Q) 
  え、本当に!?どこどこ!?

(イノQ君、キョロキョロとあたりを見回す。イノQ君がむこうを向いた所を、黒づくめがピコピコハンマーで一撃!)

(Q) 
  ぐわっ!な、何でやねん・・・。

(イノQ君、倒れる。)
(黒づくめ、ピコピコハンマーを投げ捨て右手に逃走。)

(暗転)
(パトカーのサイレンの音が聞こえる。)


(ナ)
  (森本レオ風に)十月某日、技科大近くの郵便局内で、イノQ君が殺されるという事件が発生した。
  警察の懸命の捜査にもかかわらず、事件は解決の糸口さえ見つからずにいた。
  そこで、IQ300の天才少年探偵が事件解明に乗り出すことになった。
  そう、彼こそがあの名探偵・村田一少年である。


♪間奏(金田一少年の事件簿のテーマ)

(警部と検死官は舞台上にいる。)
(警部は舞台のやや左手側。)
(検死官は最初はイノQ君の写真撮影。)
(村田一少年、自転車に乗って右手より登場。)

♪間奏終了

村田一少年(以下、村)
  警部、こんにちは。名探偵の村田一平(ぺい)です。今日は何か用?
警部(以下、警)
  自分で自分を名探偵言うなよ。
  ま、とりあえずこっちきてこれを見てくれ。
  ちょっとお願いがあるんだよ。

(二人、死体のそばに移動。)



(警) 
  見ての通り、殺人事件だ。被害者の名はイノQ トモヒロ。
  小包集配のアルバイトをしていたところを、ピコピコハンマーで後頭部を殴られたようだ。
  即死だな。
(村)
  うわー、悲惨ですね。
  いろんな意味で。
(警) 
  容疑者を3人まで絞ったんだが、決定的な証拠が無い。
  そこで、君にこの事件の謎を解いて、真犯人を捕まえてほしい。
  頼むよ、村田一君。
(村)
  えー、なんで俺が。
  それはあんた達警察の仕事だろー。
  自分でやれよ。
(警) 
  (拳銃を突きつけて)やってくれるね、村田一君。
(村)
  は、はい、もちろん。
  喜んでやらせていただきます。
(警)
  ありがとう、助かるよ。
  プロに頼むとお金が掛かるから大変なんだよねー。
  警察の給料って安いから。
(村)
  え!謝礼払ってくれないの!?
  タダ働き!?
(警)
  (拳銃を突きつけて)え、なんか言った?
(村)
  い、いえいえ。
  警察に協力するのは市民の務めですから。
  (小声で)くそ、おぼえてろ。
(警)
  よし、そうと決まったら、さっそくあの決めゼリフ、いってみようか!
(村)
  え、もう?
  もっと盛り上がる場面のほうが…。
(警)
  いいのいいの。
  あんなワンパターンでお約束の台詞、いつ言ってもたいして盛り上がらないって。
  さっさと済まして次行くぞ。
(村)
  そこまで言うかおまえ。
  はいはいわかりましたよ、言えばいいんでしょ、言えば(ブツブツ)。
  (警部を指さして)犯人はおまえだ!!
(警)
  違うだろ。

(暗転)

(ナ)
  こうして村田一少年は、事件解決のために、タダで働かされる羽目になったのでした。

(舞台中央、スポットライトを村田一少年にあてて)
(村)
  (遠くを見て)この事件の謎は必ずこの俺が暴いてみせる。
  ジッちゃんの名に賭けて!

(暗転)

♪間奏(金田一少年の事件簿のテーマ)
♪間奏終了
(ナ)
  村田一少年と警部は、事件の容疑者に会って話を聞くことにしました。
  さっそく、事件の容疑者である三人が集められました。

(村田一少年と警部が中央に並んで立っている。)

(警)
  それじゃあ村田一君、さっそく容疑者に会ってもらおうか。
  三人までは我々が絞り込んどいたから、推理も楽だろ。
(村)
  本当にその中に犯人がいるのかよ。
  真犯人は意外な人物ってのが決まりだし。
  間違いなくその内の誰かが真犯人なんだろうな。
(警)
  まず一人目は、イノQの愛人のコミナ ミチヨさんです。
  どうぞー!
(村)
  おい、無視すんな!

♪間奏(マンボのビート(ごきげんようのテーマ))

(コミナ、ライオン(シロクマ)と腕を組んで左手から入場。)

コミナ(以下、コ)
  (明るく)どうも、こんにちはー!はじめまして!
(村)
  いやー、ようこそいらっしゃいました。
  今日はいったいどんなトークが聞けるんでしょーか。
  さっそくサイコロを振っていただきましょう!

(村田一、サイコロを取り出しコミナに手渡す。)
(同時にサイコロ振るときの曲開始。)
(コミナ、サイコロを振って)

(コ&村&警)
  なにがでるかな♪なにがでるかな♪

(村田一、サイコロが止まってから拾い上げる。)



(村)
  イノQ君の話、略して!?
(全員)
  いのQ!

(村田一、サイコロを置く。)
(警部とコミナ、椅子に座り)
(警)
  (まじめな口調で)で、どうなんだ!おまえがやったのか?
(コ)
  (泣き真似しながら)私、人殺しなんてしてません!
  それに、イノQさんの愛人だなんてでたらめです!
  そんな人、知りません!
(村)
  しかしあなた、去年のちょうど今ごろ、この場所で、
  イノQ君と一緒に小包みになって箱に入っていたそうじゃないですか。
  証人も沢山いるんだよねー。
(コ)
  嘘です!
  イノQさんなんて見た事も聞いた事も会った事も話した事も殺した事も
  近づいた事も触った事も遊んだことも食べた事もありません!
(村)
  でも、全然知らないって事はないだろー。
(コ)
  しつこいわね。そんな技科大でユウホ吹いてる、物質工学科修士二年の
  コテコテの関西人なんて知りません!
(村)
  詳しいじゃないか。

(警部、向き直って)

(警)
  えー、話もたけなわになってきましたので、次にいきたいと思います。
  続いてのゲストの方、入場―!

♪間奏(ETのテーマ)(ハリウッド・マイルストーンズから)
(ET左手から登場。(自転車?)しばらく走り回った後、舞台中央へ。)
(その間にコミナとシロクマ、右手に退場。)
♪間奏終了



(警)
  宇宙よりおこしの、イノQ君の友人のETさんでーす。
ET(以下、E)
  (片言で)ワレワレ、ハ、ウチュウジン、ダ。
  ワレワレ、ハ、イノキュウ、ノ、トモダチ、ダ。
  コロシテナド、イナイ。
(村)
  うわ、一人なのに我々って言ってる!
(E)
  男がそんな細かいこと気にすんなよ。
  セコイ男は出世しないぞ。
(村)
  なんでいきなりペラペラしゃべってんだよ、おまえは!
(E)
  いやー、地球に来てもう長いから。
  言葉は習うより慣れろって言うだろ。
  地球に住んでれば自然としゃべれるようになるって。
(村)
  なるほど。
  てことは、俺もイギリスで暮らせば英語が、中国に住めば中国語が、
  宇宙に行けば宇宙人の言葉を話せるようになるってわけだな。
(E)
  いや、無理だろ。
  お前頭悪そうだし。
(村)
  (ETを指差し)警部、こいつが犯人です。
  間違いありません。
  たった今、推理しました。
(警)
  嘘つけ。
  (向き直り)えー、最後のゲストは、イノQ君の義理の弟である、この方です
  どうぞ!

♪間奏(ペプシマンのテーマ)

(ET、右手に退場。)
(ペプシマン、左手から登場。ポーズをきめる。)

(警)
  ペプスィ星から来たペプシマンさんでーす!
(村)
  え!?
  こいつペプシマン?
  太っっ!!



ペプシマン(以下、ぺ) 
  太いって言うな!
  堂々たる体格と言え!
(村)
  だって太いじゃん。
  とくに頭。
  どうみてもペプシマンには見えないぞ、おまえ。
(ぺ)
  失礼な。
  どこから見てもペプシマン以外の何物でもないだろ。
  このカラーリングとか。
(村)
  いや、ペプシマンというよりむしろ…。
  (少し考えて)そうだ、ちょっと横向いてみろ。
  (ペプシマンを横向きにして)うん、こうすればドラえもんに見えなくもないな。
  太いし。
(ぺ)
  太いって言うな!
  それにだれがドラえもんだ!
  俺はペプシマンだって言ってるだろ!
(村)
  いや、お前ドラえもん。
  決定。
(ぺ)
  勝手に決めるな!

♪間奏(ドラえもん)

(村)
  ほら、BGMも「お前はドラえもんだ」って言ってる。
(ぺ)
  違う!
  おれはペプシマン!
  いますぐやめろ!
(警)
  いいじゃん、別に。
  ドラえもんのほうが人気あるし。
(ぺ)
  そういう問題じゃないだろ。

♪間奏(ドラえもん)

(ぺ)
  おら、やめろっていってんだろーが!

(ペプシマン、タイミング良く指揮者を蹴り倒す。指揮者は指揮台から転倒。)
♪間奏中断

(ぺ)
  ふう、これでよし、と。
(村)
  ふん、甘い甘い!
  それで助かったつもりか。
  どうやらお前、今日の一部のステージを見ていなかったようだな。

(村田一、指揮者が落とした指揮棒を拾い上げ指揮台へ。)
♪間奏再開
♪間奏終了

(ぺ)
  しまった!
  くそ、よくもやりやがったな!

(ペプシマン、ピコピコハンマーを拾い上げ村田一少年に詰め寄る。が、間に警部が割って入る。)

(警)
  まあまあ、落ち着いて。
(ぺ)
  うるせー、邪魔すんな!

(ペプシマン、警部を殴る。)

(警)
  いて!
  何すんだお前!
  やんのかこら!
(ぺ)
  おー、やったろーじゃねーか!

(警部、ハリセンを持ち出す。ぺプシマンと警部、互いにピコピコハンマーとハリセンを構えて向き合う。)
♪間奏チェンジ(暴れん坊将軍)

(ペプシマンと警部の殺陣。)



(警部が銃を撃ち、それをペプシマンがマトリックスで避ける。(黒子在り))
(ペプシマン、コーラを取り出し思いっきり振った後、警部に向ける。警部がびびったところを殴る。)
などなど

(最後はペプシマンのピコピコハンマーが警部の頭にクリーンヒット!警部、間奏終了と同時に倒れる。)
♪間奏終了

(ぺ)
  またつまらぬ物を斬ってしまった・・・。

(暗転)
(ナ)
  さあ、この三人の中で、真犯人は誰なのでしょうか?
  村田一少年の名推理が始まります。

(村田一、警部、容疑者三人がそろっている。)
(左から、ペプシマン・コミナ・ET・村田一・警部の順。)



(警)
  と、いうわけで、以上がこの事件の容疑者だ。
  村田一君、何か質問は?
(村)
  いや、言いたい事はいっぱいありますけど…。
  よくこんな濃いキャラばっかり集まりましたね。
(警)
  (素の口調で)まあ、イノQの関係者だから。
(村)
  (納得して)それもそうですね。
  じゃあ一人ずつ、事件当時のアリバイを話していただけますか。
  まず、ペプシマンさん。
(ぺ)
  私はその頃、家でジュースを飲んでました。
(警)
  なるほど、コーラを…。
(ぺ)
  いや、伊藤園の「おーい、お茶」。
  うまいんだな、これが。
(村)
  おまえペプシマンだろ!
  コーラ飲めよ!
(ぺ)
  いいじゃん、お茶が好きなんだから。
(村)
  やっぱりペプシマンじゃないだろお前。
  太いし。
(ぺ)
  太いって言うな!
(警)
  (咳払いをして)えー、ではそれを証明してくれる人はいますか?
(E)
  はい、我々が見てました。
  間違いありません。
(村)
  なるほど。
  では、ETさん、あなたはその頃何を?
(E)
  我々は、地球人と友好を深めていました。
(村)
  と、いうと…。

♪再びETのテーマ

(村) ああ、あれか!

(村田一、人差し指を差し出す。ETも出して、指を近づける。が、ET、村田一の頬に思いっきりグリグリと押し付ける。)

♪曲終了

(村)
  イテ、イテ、痛い!痛いって!おい!
(警)
  (大きく咳払いをして)えー、ではそれを証明してくれる人は?
(コ)
  間違い無いです、私が見てました。
(村)
  なるほど。
  ではあなた(コミナを指して)はなにを?
(コ)
  私はその頃は、たしかお風呂に入ってました。
(警)
  ではそれを証明してくれる人は?
(ぺ)
  間違いありません、私が見てました。
(全員)
  覗いてたんかい!

(ペプシマン逃げる。同時にBGMスタート。村田一少年、警部、コミナとETがそれを追いかける。)

♪間奏(ドリフ・舞台転換(2回繰り返し))

(曲が終わる頃、ペプシマン右手へ退場、ET,コミナ左手へ退場。)
♪間奏終了

(警)
  ちっ、逃がしたか。
  まあこのことは置いとこう。
  で、一通り話を聞いてもらったわけだが、どうだ、犯人はわかったか?
(村)
  ふっ、警部、僕を誰だと思ってるんです。
  IQ400の天才大学生、名探偵・村田一ですよ。
  当然、犯人はわかりました。



(警)
  おお、本当か!?
  で、だれなんだ?
(村)
  警部、あわてないで。
  名探偵が自分の推理を披露するには、やはりあのシチュエーションじゃないと。
(警)
  え?
  ああ、そうか。
  よしわかった、さっそく準備しよう。
  ちょっと待っててくれ。

(警部、右手へ退場。)

(暗転)

(中央、村田一少年にスポットライトを当てる。村田一はマイクを持つ。)

♪間奏(古畑任三郎のテーマ)

(村)
  (古畑口調で)んんー、今回の事件は、ひっじょぉーに簡単でぇしたぁ。
  なぁにしろ、容疑者がたぁったの三人。
  てぇきとぉに言っても当ぁたりそうですしねぇ。
  まぁしてや、私ほどの天才にかぁかれば、いぃっ瞬で解決ですよ。
  んんっふふふふ…。
  皆さん、もうおわかりですねぇ?
  そう、はぁん人は…。
  村田一任三郎でした。

(暗転)

♪間奏終了
(ナ)
  さあ、事件の鍵は全て示されました。
  会場の皆様、犯人はおわかりになりましたでしょうか?
  それでは、解決編のスタートです。

(村田一、警部、容疑者三人がそろっている。(順序は適当))

(E)
  こんなところに呼び出して、何の用だ。
(コ)
  私忙しいんですけど。
  あの事件のことなら私は関係ありません。
(警)
  そのことについて、村田一君から話があるそうだ。
  村田一君、頼むよ。
(村)
  はい、警部。
  (咳払いをしてから)今日皆さんに集まっていただいたのは、この事件の真相をお話するためです。
(ぺ)
  なに!?と、いう事は…。
(村)
  そう。真犯人は、この中にいる!
(全員)
  えぇ!?

♪ドラマでやってた音(シャーン シャーン、ってやつ)

(ぺ)
  って、当たり前だろ。
  容疑者が全員ここにいるんだから。
(村)
  そこ、余計なこと言わない!
(警)
  で、犯人は誰なんだ、村田一君。
  早く教えてくれ。
(村)
  わかりました。
  (メモとマイクを取り出し)それでは、発表いたします!
  第一回・イノQ君殺人事件の、真犯人は…。

♪ドラムロール(ミスコン風に)

(暗転、ライト(懐中電灯)が旋回。←森さんと石田さんが前でやる。)

(村)
  エントリーナンバー3番、ペプシマンさんに決定いたしました!!!

♪ファンファーレ
(ライト、ペプシマンでストップ。ペプシマン、わざとらしく周りをきょろきょろ見まわし、自分にライトが当たってると気付くと、おずおずと前に出る。)

(全員)
  わーー!!(拍手)

(森さんと石田さん、紙テープを投げる。)

(これ以降、全員マイクを使ってしゃべる。)

(村)
  (マイクをペプシマンに向けながら)いやー、ペプシマンさん、どうですか、今のお気持ちは!?
(ぺ)
  うそ、信じられません
  友達が勝手に応募したのに…。
(村)
  あなたが、真犯人ですよ!?
(ぺ)
  もうなんて言っていいか…。
  ありがとうございます、選んで下さった審査員の方々のおかげです。
(村)
  本当におめでとうございます。それでは表彰台のほうへどうぞ。

♪間奏(得賞歌)

(ペプシマン、台にのぼる。)

(ナ)
  審査委員長の警部より、賞状が送られます。
(警)
  「賞状、ペプシマン殿。以下同文。」
  おめでとう。
(ぺ)
  (受け取りながら)ありがとうございます。(警部と握手)
(村&コ&E)
  わーー!!(拍手)
(ナ)
  さらに副賞といたしまして、ロマン輝くエスティームより、
  「あなたの手首を華麗に彩るスペシャルファッションリング、鉄(くろがね)の手錠」が贈られます。
  おめでとうございます。
(村&コ&E)
  わーー!!!(拍手)
(警)
  おめでとう。
(ぺ)
  ありがとうございます。

(警部、ペプシマンに手錠をかける。その瞬間、)
♪間奏終了
※ここからマイク無し。

(ぺ)
  はっっっ!しまった!!
(警)
  ペプシマン、イノQ君殺害容疑で逮捕する!
(ぺ)
  くっ…!
(コ)
  ペプシマン、なぜイノQさんを殺したんですか!
  あなたの義理のお兄さんでしょ!?
(ぺ)
  なぜだと?
  (涙をこらえて)あいつは俺の世界一大切な、命の次に大事なものを、俺から奪ったんだ!
  だから俺は悪魔に魂を売り渡したんだ!
(E)
  まさか!
  イノQ君が、そんなひどいことをするはずが…。
  一体何をしたって言うんだ!?
(ぺ)
  あいつは俺が、楽しみに取っといたどら焼きを勝手に食べちゃったんだよ!
  だから…!
(警)
  そんなことで悪魔に魂売り渡すな!
  たかがどら焼きで!
  おら、きりきり歩け!
(ぺ)
  たかが?
  どら焼きを馬鹿にするな!
  マッタリとしてそれでいてしつこくなく、上品な甘味が口いっぱいに広がる
  最高の三時のおやつだろ!
  お茶にも合うし、どらとアンの奏でる絶妙な味のハーモニーが…。

(言いながら警部、ペプシマンを引っ張って右手へ退場。)

(村)
  やっぱりあいつドラえもんだな。
  太いし。
(ぺ)
  (舞台袖から)太いっていうな!
(村)
  (遠くを見ながら)いやー、今回の事件は実に計算され尽くした、恐ろしい犯罪でした。
  犯人の悪魔の頭脳が生み出した、まさに芸術的とも言える完全犯罪です。
  しかし、そんな事件であっても、私という天才にかかれば解明されてしまう、ということですね。
  はっはっは。

(コ)
  いやー、まさかペプシマンが犯人だったとはね。
(E)
  人は見かけによらないって言うけど、あれ嘘だな。

(とか言いつつ、コミナとET右手へ退場。)

(村)
  私がこの事件の真相にたどり着いたきっかけは、
  ペプシマンがポロッと漏らした不用意な一言でした。
  そのたったひとつの重大なミスにより、私はペプシマンに疑いを持ったのです。
  ペプシマンが犯したその重大なミスとは……。
  (周りを見て)って、誰もいないじゃねーか!
  おい、俺の推理を聞いてから帰れよ!
  おい!

(村田一右手へ退場。)
(暗転)

(倒れていたイノQ君、天使の羽と輪を着ける。黒子、楽器を渡す。)

(ナ)
  (森本レオ風に)こうして、村田一少年の活躍により、事件は無事解決した。
  しかし、だからといって死んだイノQ君が帰ってくるわけではない。
  残された遺族、友人の悲しみを思うと、やりきれない怒りと悲しみが残る。
  今後このような痛ましい事件が起こらぬよう、村田一少年はこれからも戦い続けるだろう。
  いつまでも…。

♪エンディング曲(青春の輝き)(指揮:村田一)
(イノQ君、舞台中央でスポットライトを当てて演奏。)

(演奏終了後、暗転。)
(村田一、ジャンケンプレートを持ち、サザエさん頭をつけて舞台中央へ。)
(スポットライトを当てる。村田一、振り返って)

(村)
  え?ペプシマンが犯した、たった一つの重大なミスは何かって?
  そ・れ・は…、来年のお楽しみ!
  それじゃあ来年もまた、見てくださいねー!
  (ジャンケンプレートを取り出し)ジャン、ケン、ポン!
  ウフフフフ…。

(暗転)

〜了〜 



(青春の輝きの最中と、最後の暗転後)

第2部、企画ステージ
「村田一少年の事件簿」FILE・17〜イノQ君殺人事件〜
●キャスト
村田一少年・・・・・・・村田 一平
警部・・・・・・・・・・中西 敏郎
ペプシマン・・・・・・・宮内 良樹
ET・・・・・・・・・・柿沼 慎弥
コミナ ミチヨ・・・・・黒瀬 勲信(声優・・・・小南 ちよ)
ライオン・・・・・・・・小山 佳苗
検死官・・・・・・・・・柄戸 崇宏
指揮者・・・・・・・・・西 由紀子
イノQ君・・・・・・・・井上 智裕

ナレーター・・・・・・・小曳 尚
脚本・・・・・・・・・・坊野 卓郎
制作・・・・・・・・・・豊橋技術科学大学吹奏楽団演劇部

にてお送り致しました。

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